パッシブDAC集風システム開発の取り組み
企業の研究開発や新規事業では、最初に見えている困りごとが、そのまま本質的な課題とは限りません。 パンタレイは、企業との対話を通じて課題の背景を整理し、技術的な本質を見極めながら、共同研究や社会実装につながる研究開発テーマへ育てていくことを重視しています。
最初から研究テーマがあったわけではありません
パッシブDAC集風システムの開発は、最初から完成された研究テーマとして始まったものではありません。 企業が抱えていた技術的な悩みや方向性の模索を起点に、「本当に解くべき問題は何か」を捉え直していったことが、その後の共同研究、さらには公的研究開発プロジェクトへつながりました。
パンタレイでは、いただいた相談内容をそのまま受け取るだけでなく、その背景にある課題を一緒に整理します。 表面的な解決策ではなく、現象の本質に近づくことで、新しい研究開発テーマが見えてくることがあります。
見えている課題を、そのまま解くべき課題と決めつけない。
技術的な背景を整理し、本当に必要な機能や構造を考える。
小さな技術相談を、共同研究や社会実装の入口へつなげる。
DACにおける空気の流れの課題
DAC(Direct Air Capture)は、大気中の二酸化炭素を直接回収する技術です。 実用化に向けては、空気をどのように効率よく取り込み、どのように排気し、送風や吸排気にかかるエネルギー負荷をどう抑えるかが重要になります。
当初は、風力を使ってDAC用のファンを回すという発想もありました。 しかしパンタレイは、「風車をどう使うか」ではなく、DACに必要な空気の流れを、より本質的にどう実現するかという視点から課題を捉え直しました。
ここで生きたのが、パンタレイの流体技術です。 風や空気の流れを理解し、構造設計へ落とし込む技術をもとに、風力変換を介さず、自然風そのものを活用して吸気・排気を支援するという考え方にたどり着きました。
自然風を活かすパッシブDAC集風システムへ
課題の再定義から生まれたのが、自然風を活用するパッシブDAC集風システムです。 この考え方の特徴は、空気の流れを機械的に無理につくるのではなく、自然風を取り込みやすい構造を設計し、吸気と排気を効率化する点にあります。
可動部に頼りすぎず、送風にかかるエネルギーを抑えながら、DACに必要な空気の流れを実現しようとするアプローチです。 パンタレイは、流体工学の視点から、自然風をどう取り込み、どう排気するか、どのような構造が効率向上につながるかを検討し、集風システムの研究開発を進めてきました。
技術相談から共同研究へ
こうした課題整理と提案をきっかけに、取り組みは技術相談の段階から共同研究へと発展していきました。 パンタレイの強みは、与えられた条件の中で測定や解析を行うだけではなく、課題の立て方そのものを見直せることです。
そのため、企業側にとっても、当初は曖昧だったテーマを、共同研究として進められる形に整理しやすくなります。 本件でも、相談ベースのやりとりから、研究として検討すべきテーマが明確になり、より大きな枠組みで取り組む流れが生まれました。
さらに公的研究開発プロジェクトへ
この取り組みは、その後、ムーンショット型研究開発事業へとつながっていきました。 つまり、最初は一つの技術相談として始まったテーマが、共同研究を経て、社会的意義の大きい研究開発プロジェクトへ発展したことになります。
ここで重要なのは、パンタレイが単に一つの技術要素を提供したということではありません。 企業が抱える課題に対し、流体技術を軸に本質的な解決の方向性を提示し、それを研究開発テーマとして育て、より大きな社会実装の流れへつなげたことにあります。
その意味で、パッシブDAC集風システムの取り組みは、パンタレイが目指す「課題整理から共同研究、社会実装へ」という姿勢を示す代表的な事例です。
この取り組みに表れているパンタレイの価値
この事例は、パンタレイが単なる測定会社や解析会社にとどまらないことを示しています。 パンタレイが提供できる価値は、技術サービスそのものだけではありません。
- 企業の技術課題を、背景から整理すること。
- 見えている問題を、本質的な課題として再定義すること。
- 流体、材料、計測などの専門性をもとに、解決の方向性を設計すること。
- 技術相談を共同研究へ発展させること。
- さらにその先の社会実装や公的研究開発プロジェクトへつなげること。
技術シーズはあるが、どのように展開すればよいかわからない。 現場の課題はあるが、どこに本質的な問題があるのかわからない。 そのような段階から一緒に考え、研究開発や社会実装の可能性を探っていきます。
技術相談を、次の展開につなげたい方へ
パンタレイでは、企業の開発現場で生まれる曖昧な技術課題を整理し、技術的な見立て、検証方針、共同研究テーマ化までご一緒しています。
材料・流体、気流制御、計測・可視化、共同研究設計などに関するご相談がありましたら、まずはお問い合わせください。 一見すると小さな相談でも、その先に新しい研究開発テーマや社会実装の可能性が広がっていることがあります。
空気の流れや技術テーマ化の相談から始められます
DAC、自然風活用、吸気・排気、気流制御に限らず、現場で見えにくい流れの課題や、技術シーズの展開方法に関する相談も可能です。
現在の困りごとや技術シーズを、共同研究や社会実装につながる形へ整理するところからご一緒します。




